【保存版】台北故宮博物院 完全攻略|三大至宝と人気展示品、お土産、アクセス情報を総まとめ
故宮博物院の基本情報
台湾八景の一つである台北故宮博物院の歴史は、1949年にさかのぼります。当時、貴重な文化財を保護するため、国宝級の文物が北京から台湾へ運ばれ、秘密裏に保管されました。その後、1965年に建築家・黄寶瑜の設計により、台北市士林区の外双渓に台北故宮博物院が正式に設立されました。
台北故宮博物院の建物は、中国宮殿様式を採用した4階建ての構造で、総面積は約28,000平方メートルです。館内には宋、元、明、清の各時代にわたる約70万点もの貴重な文化財が所蔵されており、その歴史は8000年にも及びます。これらの展示品は種類ごとに定期的に入れ替えが行われ、器物類は6ヶ月~2年、書画や図書文献類は3ヶ月ごとに展示替えが実施されています。また、定期的に開催される特別展では、毎回新しい展示品を見ることができます。
現在、国立故宮博物院には2つの施設があります。台北の本院に加えて、2015年12月28日には嘉義市太保に故宮南院がオープンし、展示スペースが大幅に拡大されました。なお、この記事では台北本院についてご紹介します。
この記事では、アクセス方法やチケット情報、周辺の観光スポットなど、台北故宮博物院を1日で楽しむための詳しい情報をご紹介します。台湾に受け継がれた文化の奥深さを、ぜひ体験してみてください。
故宮博物院の絶対見たい展示物TOP8
台北故宮博物院の「三大至宝」として知られる「翠玉白菜」「肉形石」「毛公鼎」は、訪れた際に絶対に見ておきたい人気展示品です。実は面白いことに、台湾の文化財保護法では文化財を「国宝」「重要古物」「一般文物」の3段階に分類しています。「翠玉白菜」と「肉形石」は「重要古物」に分類され、この三大至宝の中で真の「国宝」級文物と認定されているのは「毛公鼎」だけです。これは一般的な人気度と文化財としての評価基準の違いを表しているとも言えますが、いずれも歴史的・芸術的価値の高い貴重な文物です。
これら有名な3つの至宝の他にも、知名度は低いものの必見の価値がある7つの文物をご紹介します。以下で紹介する順序で展示を見学すると、より深く作品を理解することができます。
故宮博物院の絶対見たい展示物1:翠玉白菜
(画像出典:故宮博物院)
翠玉白菜は、清朝の光緒帝が瑾妃(きんひ)に贈った嫁入り道具の一つで、もともとは紫禁城の永和宮に大切に保管されていました。現存する6点の翠玉白菜のうち、3点が台北故宮博物院に所蔵され、残りの2点は北京故宮博物院と天津博物館にそれぞれ収められています。
この「翠玉白菜」の最も驚くべき点は、職人の卓越した彫刻技術です。翠玉が持つ自然な色の変化を巧みに活かし、石の瑕を白菜の重なり合う葉の下に巧妙に隠しています。よく観察すると、葉の上にはバッタとイナゴが彫られているのが分かります。これらの虫は、当時、子孫繁栄の縁起物として好まれていました。
白い菜葉から翠色の葉柄まで、白菜の自然な色の変化を見事に表現しており、遠くから見ると本物の白菜のように見えます。
※翠玉白菜は2025年4月20日まで、故宮博物院南部院区にて開催される特別展「大美あるも言わず─国立故宮博物院・パリ装飾芸術美術館・ヴァン クリーフ&アーペルコレクション精選展」で展示されます。
故宮博物院の絶対見たい展示物2:肉形石
(画像出典:故宮博物院)
肉形石は清代の工芸家による偉大な傑作です。職人は瑪瑙(めのう)を素材として、精密な研磨、穿孔、染色技術を駆使し、まるで本物の東坡肉(トンポーロー)のような作品に仕上げました。表面の脂の質感や毛穴まで緻密に表現されており、その細部の完成度は見る者を驚嘆させます。
ただし、肉形石を見学する際は展示スケジュールに注意が必要です。この作品は台北故宮博物院と嘉義の故宮南院で交互に展示されているため、見学前に故宮博物院の公式サイトで展示情報を確認することをおすすめします。
※2025年2月7日より北部院区本館302展示室にて展示予定です。
故宮博物院の絶対見たい展示物3:毛公鼎
(画像出典:故宮博物院)
毛公鼎は西周後期(紀元前828-782年頃)の最も貴重な文物の一つです。最大の特徴は、鼎(かなえ)の内側に鋳込まれた500文字にも及ぶ銘文で、現存する青銅器の中で最長の銘文です。この銘文には周の宣王が毛公に官職を授けた記録が刻まれており、その流麗な筆致と古雅な字体は、書道芸術としても高い評価を受けています。
毛公鼎が「台湾の重宝」と呼ばれるのは、歴史的価値だけでなく、銘文が西周の「宣王中興」期の詳細な史料を提供しているからです。「翠玉白菜」「肉形石」と合わせて、インターネット上では「食べられない白菜肉鍋セット」という愛称で呼ばれています。白菜(翠玉白菜)、肉(肉形石)、鍋(毛公鼎)が揃っているためです。これら3点は故宮博物院で最も人気のある展示品です。
毛公鼎は3階305展示室にあります。
故宮博物院の絶対見たい展示物4:宗周鐘
(画像出典:故宮博物院)
宗周鐘(そうしゅうしょう)は、毛公鼎(もうこうてい)と同時期の西周時代後期(紀元前827年から782年)に作られた青銅器です。
この文物の特徴は、左右対称に配置された優美な龍の文様です。また、111文字におよぶ銘文が刻まれています。その内容には、周王が外敵の侵略に対抗しながら、国の平安と永続を願う強い意志が記されています。
青銅器という素材だからこそ、このような歴史的な記録を今日まで伝えることができました。優れた彫刻技術はもちろんのこと、当時の政治状況や歴史的背景を伝える貴重な文化財といえます。
宗周鐘は3階305号室で見ることができます。
故宮博物院の絶対見たい展示物5:三彩馬球仕女俑
(画像出典:故宮博物院)
遣唐使が派遣されるほど、唐は当時、最も栄えた王朝でした。この三彩馬球仕女俑(さんさいばきゅうじょよう)は、まさに唐の文化を代表する文物の一つです。これは生活空間を飾る人形ではなく、お墓に副葬された品です。
見どころの一つは、唐時代の女性の装いを詳しく観察できることです。また、当時ペルシャから伝わった馬球(ポロ)が流行していた様子もうかがえます。この俑は低温彩釉という技法で作られ、黄、緑、白、茶色が鮮やかに調和しています。
まるで今にも動き出しそうな躍動感のある姿と、鮮やかな色彩が特徴的な見応えのある作品です。
三彩馬球仕女俑は2階207号室で展示されています。
故宮博物院の絶対見たい展示物6:白磁嬰兒枕
(画像出典:故宮博物院)
白瓷嬰児枕(はくじえいじちん)は、職人の高度な技術とユーモアのセンスが光る工芸品です。赤ちゃんがくつろいだ様子でうつ伏せになっており、その背中が枕として使えるようになっています。
また、なにかの反応を期待するような愛らしい笑顔と、曲げられた足は、かわいらしさの中に上品な趣を感じさせます。
この作品は、宋代の定窯(ていよう)が誇る優れた成形技術と装飾技術によって作られています。
このような嬰児枕は、世界中でわずか3点しか確認されていません。本作品は、その中でも釉薬の美しさと装飾の精巧さは最高峰とされています。さらに、枕の底には清の乾隆帝による御題が刻まれています。
この白瓷嬰児枕は2階205号室で展示されています。
故宮博物院の絶対見たい展示物7:霽青描金游魚転心瓶
(画像出典:故宮博物院)
霽青描金游魚転心瓶(せいせいびょうきんゆうぎょてんしんへい)は、清王朝を代表する逸品です。二重構造の瓶であり、優美な曲線と鮮やかな色彩の対比が特徴的で、多くの人々を魅了してきました。
内層は淡い青緑色の釉薬で湖面のような背景が作られ、そこに粉彩で水草や散り花、金魚が描かれています。外層は透かし彫りになっており、首の部分を持って回転させることができます。
万華鏡のような、あるいは携帯できる小さな水族館のようなこのデザインには、職人の卓越した技術と創意工夫が光る、芸術の極みといえる作品です。
この霽青描金游魚転心瓶は2階205号室で展示されています。
故宮博物院の絶対見たい展示物8:剔紅雲龍紋小櫃多宝格
(画像出典:故宮博物院)
剔紅雲龍紋小櫃多寶格(てきこううんりゅうもんしょうきたほうかく)は、清王朝を代表する文物で、「皇帝の玩具箱」とも呼ばれています。名前の由来は、「多」は多数を、「寶」は宝物を、「格」は収納庫を意味します。この一つの展示品の中には、木箱を含めて実に109点もの小さな工芸品が収められています。
箱は4層に分かれており、各層にはそれぞれ1、2、3、4個の引き出しがあります。引き出しの中には清朝宮廷で特別に作られた木製の仕切りが設けられ、主に清代の品々が収められています。収蔵品には、明清時代の小さな玉器、3点の書道作品、陶磁器、西洋の時計、清代の小さな絵巻物や画帖、そしてガラス製品、蜜蝋、白檀などの文房具が含まれています。小さな美術品へのこだわりは、現代人だけでなく、清朝の皇帝たちにとっても、魅力的で大切なコレクションだったことがわかります。
この剔紅雲龍紋小櫃多寶格は106号室で展示されています。
故宮博物院で買えるおすすめお土産
故宮博物院で買えるおすすめお土産1:翠玉白菜肉形石吊飾
(画像出典:故宮博物院)
故宮博物院で販売されている「翠玉白菜」と「肉形石」のストラップは、長さ18.7cm、厚さ5.07cm、幅9.1cmと、手になじむサイズです。これ一つで台湾の故宮博物院の人気作品を身近に感じることができます。また、パッケージとして使用されている台紙には、王羲之の「快雪時晴帖」が描かれています。この書は乾隆帝が「天下無双、古今に比べるものなし」と絶賛した名筆です。
故宮博物院で買えるおすすめお土産2:朕知道了マスキングテープ
(画像出典:故宮博物院)
「朕知道了」のマスキングテープは、故宮博物院で販売されている人気の文房具です。これは、清の康熙帝が奏上文書に書き記した朱筆の御言葉をモチーフにしたもので、現代語で言えば「わかりました」という意味です。手帳やお手紙のアクセントとして使いやすく、歴史的な要素とユーモアを兼ね備えた楽しいデザインが特徴です。
故宮博物院で買えるおすすめお土産3:快雪時晴帖の金属製のしおり
(画像出典:故宮博物院)
書道愛好家にぜひおすすめしたいのが、「快雪時晴帖」をモチーフにした金属製のしおりです。「快雪時晴帖」は、大書道家・王羲之の代表作で、秦代の篆書や漢代の隷書など、さまざまな書体の特徴を真・行・草体に融合させた優美な書として知られています。その内容は、大雪の後に友人の安否を気遣う手紙であり、唐の時代の知識人たちに深く愛された作品です。
故宮博物院で買えるおすすめお土産4:酸菜白肉鍋の珪藻土コースター
(画像出典:故宮博物院)
覚えていますか?故宮博物院の三大至宝をモチーフにした「酸菜白肉鍋(白菜と豚肉の鍋)」を。文化財そのものではなくて、台湾らしいユーモアがある可愛いお土産を探しているなら、この酸菜白肉鍋をデザインした珪藻土コースターがおすすめです。
このコースターには、「西周晩期の毛公鼎」「清代の肉形石」「清代の翠玉白菜」「唐代の宮廷楽図」といった故宮の名品がイラストで描かれています。現代のフードデリバリーをモチーフに、唐代の女性が「故宮三宝」の小鍋を背負ってレトロなベスパに乗って配達するという、古代と現代が混ざった面白いデザインになっています。
故宮博物院のチケット料金と購入方法
台北故宮博物院の入場料:
- 外国人一般料金:350台湾ドル
- 外国人団体料金:320台湾ドル
※以下の日は入場無料です:
1月1日(元日)、元宵節、5月18日(国際博物館の日)、9月27日(世界観光の日)、10月10日(中華民国建国記念日)
故宮博物院での観覧マナーと注意点
故宮博物院を見学する前の注意事項:
- 文化財保護のため、館内は20℃~24℃に保たれています。防寒着の持参をおすすめします。
- 展示室での撮影は可能ですが、フラッシュ、ライト、三脚、自撮り棒などの使用は禁止です。撮影禁止の展示品については、必ずルールを守ってください。
- 館内では静かにお過ごしください。ゴミのポイ捨て、喫煙、飲食は禁止です。水分補給は展示室外の給水スポットや休憩エリアでお願いします。
- 館外にコインロッカー(返金式)があります。お預けの荷物は当日中にお引き取りください。
故宮博物院周辺でおすすめの観光スポット
故宮博物院周辺でおすすめの観光スポット1:至善園
約16,500平方メートルの広さを誇る至善園は、宋・明時代の庭園様式を忠実に再現して造られました。
園内には3つの池が連なり、優美な九曲橋(きょくきょう)と白い橋があります。堂々とした松風閣と碧橋西水榭(へききょうせいすいしゃ)という2つの主要な建物をつないでいます。中国の伝統的な造園技術を活かし、東洋庭園ならではの建築美、亭や楼閣、築山や池の景観が見事に調和しており、ゆっくりと散策を楽しむのにぴったりの空間です。
故宮博物院へのアクセス方法
故宮博物院へのアクセス方法1:台北MRT
台北を観光する際、地下鉄(MRT)は時間を節約できる便利な交通手段です。特に故宮博物院へ行く場合は多くの方が利用します。直通の地下鉄があれば便利なのですが、残念ながら現在の故宮博物院は士林駅からやや離れており、バスを乗り継ぐ必要があります。
具体的なアクセス方法:
- 地下鉄淡水信義線で「士林駅」まで行き、1番出口から出ます
- 中正路のバス停まで徒歩で移動
- 「紅30(レッド30)」バスに乗車(所要時間約15分)
- 故宮博物院の地下1階入口で下車
故宮博物院へのアクセス方法2:バス
故宮博物院へは、先ほどご紹介した地下鉄からのアクセスの他に、バスを利用して直接行くこともできます。
以下のバス路線が利用可能です:
- レッド30
- ブラウン13
- ブラウン20
- 255番
- 304番
- 815番
- 市民小巴1号
- 重慶(チョンチン)幹線
いずれも「国立故宮博物院」停留所で下車します。
故宮博物院へのアクセス方法3:観光バス
故宮博物院へは、台北市の特徴的な「2階建てバス(観光バス)」も利用できます。車内では無料Wi-Fiに加え、英語、日本語、韓国語、タイ語など多言語の音声ガイドが利用可能で、外国人観光客の方にも大変便利です。
このバスは台北の主要観光スポットを巡るルートを走ります:
- 台北駅
- 西門町
- 士林夜市
- 故宮博物院
- 台北市立美術館
- 国賓ホテル
- 圓山ホテル
公共交通機関での故宮博物院へのアクセスを検討されている方は、この観光バスも良い選択肢の一つになるでしょう。
故宮博物院へのアクセス方法4:時間制貸し切りチャーター
台北には観光スポットが数多くありますが、効率的かつ快適に観光するなら、tripoolの貸切チャーターサービスがお勧めです。特に故宮博物院は館内を歩き回ることが多く、疲れやすい観光地です。そんな時、時間制の貸切チャーターサービスを利用すれば、行き帰りの移動を楽にできるので体力の消耗を抑えられます。
故宮博物院は年配のお客様に人気の観光スポットということもあり、時間制の貸切チャーターサービスが特に重宝されています。おすすめは4時間コースです。例えば、午前10時にホテルを出発し、2時間じっくり見学した後、昼食のレストランまでお送りすることができます。
また、多くの日本人観光客の方々は、台湾旅行の最終日に「ホテルから故宮博物院へ、そして故宮博物院から空港まで」というルートでご利用になっています。
故宮博物院への観光をお考えの方は、ぜひtripoolのサービスを旅程に組み込んでみてはいかがでしょうか。
故宮博物院に関するよくある質問
Q:故宮博物院の見学時間の目安は?
人気の展示品や国宝級の文化財を中心に回る場合は、2~3時間程度で見学できます
全展示エリアをじっくり見て回りたい場合は、半日~1日かけることをお勧めします
Q:故宮博物院は予約が必要ですか?また、ガイドツアーはありますか?
また、故宮博物院では日本語の音声ガイドが利用できます。1階の音声ガイドカウンターで貸し出しており、料金は1回150台湾ドルです。
Q:tripoolのチャーター・ハイヤーの予約方法を教えてください。
予約後は、tripoolのアプリをダウンロードしてください。アプリでメールに記載されている予約番号を入力すると過去のすべての予約を管理し照会できます。
乗車の30分前からは台北アリーナに向かうドライバーの位置情報をリアルタイムで確認できます。
また、チャット機能には自動翻訳機能があるため、ドライバーとは日本語で簡単なコミュニケーションが取れます。